スポーツと目の関係のお話☆パート1

こんにちは、スタッフの山田です。
日に日に春を感じられるようになり、スポーツなど体を動かすには
さわやかな気候になりましたね。
今日はスポーツと目「視力」には深い関係があるというお話をしたいと思います。

一言にスポーツといっても、視力によって能力を大きく左右される競技と
そうでないものがあります。
例えば、マラソンや水泳といった競技は目を使った判断によって
プレーを左右されることはあまりありません。
マラソン
ところが反対に、野球やサッカー、テニスといった球技や、
F1、バイクレースといったスピードを競うモータースポーツ、ボクシング等の格闘技
には視力がプレーの内容に大きく関わってきます。
F1

私たちが視力検査をする時に測定する視力を「静止視力」といいます。
止まったものを見る視力のことです。
一方、動くものを見る視力のことを「動体視力」といいます。
この動体視力に大きな影響を受けるスポーツが「球技」です。
特に動きの速いボールを相手にする野球やサッカー、テニス、卓球といった
スポーツでは、この動体視力が重要な鍵を握ってきます。

動体視力には2つの種類があります。
1つは「DVA動体視力」といい、左右、もしくは上下に動くものを見る視力の
ことです。2つめは「KVA動体視力」で、遠くから自分の方へ近づいてくるもの
を見る視力をいいます。

野球を例にとると、ピッチャーが投げた球をバッターが打とうとする瞬間、
上半身をひねって打つときには「DVA動体視力」がいかされています。
また、飛んできた球を野手がキャッチする際には「KVA動体視力」が活用されて
いるといえます。上下左右、遠くから近くへと、自在に動く球を追う球技には、
この2つの動体視力を統合的に発揮することが必要です。
野球2

この動体視力のほかに、意識して「ものを見よう」とするとき、目は目の光を感じる
部分である「網膜」の中心でものを見ています。これを「中心視力」といいます。
これに対して「周辺視力」とは網膜の中心以外の、周りの部分を使って見る視力
のことです。「周辺視力」は広範囲のものを視界に入れることが出来るので、
周囲と自分の位置関係を把握するのに役立ち、スポーツ選手にとっては重要な
要素の一つになっています。

「周辺視力」を遮断してしまうと、平衡感覚が失われたり、精神的に不安を感じて
しまう、という実験結果もあります。周囲が見えていないと、試合中、自分の
ポジションが判断できなかったり、方向感覚が上手く働かないといったことが
おこってしまいます。

また、槍投げの選手に対して、「周辺視力」を使えないようにして実験を行った
ところ、投げた槍が左右に偏ってしまったり、普段より距離が伸びなかった、という
結果になったそうです。

人は、自分で意識して見ているもの以外にも、自然と「周辺視力」を使って広い
範囲を認識しています。普段は気付かないけれど、「周辺視力」はとても重要な
役割を持っているのですね。
この他にも、自分では意識せずに使われているかくれた「視力」があります。
また次回にお話したいと思います。

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